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2007/02/12

竹中平蔵さんのセミナー

参議院議員山本保さんの招きで前総務大臣竹中平蔵さんのセミナーがあるというので行ってきた。

竹中さんのお話を聞くのはこれが初めて(国会中継なども見ないからその語り口を聞くのも今回が初めて)だったが、おしゃべりの上手な方で非常に参考になった。

まずは自己紹介。「民間人」の竹中平蔵であると。民間人であるから「失言」を気にしなくていいと、冒頭から笑いを作り、和やかな雰囲気に。すかさず、小泉内閣での自身の立場を「昆虫学者が昆虫になったようなもの」だったとたとえる。つまり、国の経済を客体としてとらえる学者の立場から、経済を動かす主体の立場になったということだ。そうして登場した頃はさんざんにたたかれたと振り返りつつ、ちゃっかり自書「構造改革の真実~竹中平蔵日誌」のPRも。

この日のセミナーもその本のダイジェストだと思うが、以下、メモを元に講演の要旨を記す。
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1 改革に必要なもの
一つは「パッション(情熱)」。2003年4月、株価が底を打ち、5月、りそなに公的資金を注入した。これで不良債権は片付いていくと確信した。6月、赤坂プリンスの中華料理店で小泉首相と会談することになっていたが、首相は到着すると周囲をそこに残して私と二人で厨房のエレベーターに乗り上階へ。そこで生田さんに首相はこう言う。「郵政公社最初で最後の総裁」だと。この言葉に私は小泉さんの強いパッションを感じた。
もう一つは「戦略は細部に宿る」ということ。日本マクドナルド創業者のの藤田田さんは「経営には逆転ホームランはない」と言っている。日々のこつこつ行う仕事こそが経営を成り立たせているということだ。

2 日本経済の現状
1980年代はGDPが毎年4.5%の成長を遂げていた。90年代ではこれが1%になり、いわゆる「失われた10年」となった。政府は公共事業を行った。ケインズ政策である。国の借金は130兆円にもなった。東京23区の建物をすべて建て替えるのに80兆でできるから、130兆は23区と名古屋をあわせたくらいの建物を全部建て替えできる金額だ。これは間違っていた。その後構造改革を行い、現在は成長率2~3%に回復した。しかし改革はまだやめられない。ガン患者がガンが治って退院してきたがまだオリンピックには出られないようなものだ。先日ダボス会議に出席したが、世界は日本に期待している。
今の日本は10年前のアメリカに似ていると思う。10年前のアメリカに「ニューエコノミー論」があった。それは「平和の配当」つまり軍事費がかからなくなった分国内経済にお金が動いたという効果と、「IT革命」により経済は成長を続けているという見方だった。当時は評価されなかったが、後からこれが正しかったとわかった。いまの日本には「改革の配当」がある。端的なものは郵政民営化だ。日本国民の金融資産1500兆円の4分の1は郵便局にある。国営だから運用はほとんど国債だ。民営化すればこのお金が世の中で回ることになる。中央郵便局はすべて駅前にある。鉄道で郵便を運んでいた名残だ。しかし今そんな便利なところで郵便を仕分けする必要はない。駅前の中央郵便局はホテルや商業ビルになるだろう。それから日本のITインフラはアメリカを上回る。2007年中に全国でブロードバンドがつながらないところがなくなる。これを仕掛けたのは2000年の森内閣である。
2007年、2008年は、日銀が経済政策を誤らなければ、緩やかな成長を継続するだろう。アメリカ経済は落ち着いているし、中国もしばらくは成長を続けるだろうから。しかし問題が2つある。一つは、経済が成長していることの実感が伴わないことだ。これはデフレが続いているからだ。消費者物価指数からエネルギーと生鮮食料品を除いたコア物価指数はー0.4%、GDPデフレーターではー0.7%成長だ。物価は緩やかに上昇した方がいい循環を生み出す。もう一つは格差拡大だ。これは国勢調査で判断しないといけない。いまはよくわからないというのが私の結論だ。ただ、格差が広がっている可能性はある。それは、世界中でそうだから。ただ、だからといってまともに稼いだ人を引きずり下ろそうというのは社会主義だ。サッチャーはこう言っている。金持ちを貧乏人にしても、貧乏人は金持ちにならない。

3 安部内閣の評価
安部さんは強いパッションをもっている。小泉さんとは表現の仕方が違うだけだ。しかし問題は戦略だ。社保庁解体にしてもすでにほころびが出始めている。


以上を一時間弱、自身でおっしゃったとおり比喩を交えて非常にわかりやすく語ってくださった。締めくくりの一言がまた効いていた。
小泉さんは茶目っ気のある人で、こんなことも言っていた。「竹中大臣、各大臣とはよ~く議論して。そいで言うことは聞かなくていいから。」


竹中さんの本を読んでみたくなったが、経済学入門の本も書いてくれないかしら。

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