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2016/05/02

阿武隈の旅(2)・・・川内村と草野心平

川内村は郡山市といわき市の中間に位置する山村です。福島島第一原発から20~30km圏内にあり、当初は富岡町の避難民を受け入れ、その後自治体として全村避難を指示しました。実は今回初めて川内村のHPにある広報紙のバックナンバーを読み、被災後の苦労を想像しました。今更で申し訳ありません。→広報かわうち

罹災後1年で村長が「帰村宣言」を出し、役場は戻ったといえ(「川内村災害対策本部かわら版」のNo22で発行地が川内村に戻っています)、住民は半減。

村内ではまだ除染作業が続いています。

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コンビニもこの3月にオープンしたばかりです。

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車を走らせても、まだ戻ってきていない家がたくさんありました。

葡萄の植え付けが早く終わったので、まずは今夜の宿に行ってみます。

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ビジネスホテルかわうちです。外観は「飯場」みたいですが、除染の作業員とかの需要がなくなったら、もとからある民宿で事足りるのでしょう。今回はそういう特殊事情も味わう旅です。


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室内は全く問題なしです。いったん荷物を置き、村内散策に出かけます。

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阿武隈民芸館です。全く予習していなかったのですが、川内村は詩人草野心平が愛した村でした。展示物の半分は彼のもので、当時第3まであった川内村小学校校歌も彼の作詞したものでした。案内してくださったてつこさんも「心平先生」と呼んでいました。

民芸館の奥に、川内村での心平の住処「天山文庫」があります。

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酒樽で作った「樽文庫」には、雑誌が収められています。

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そして、建築家山本勝巳が設計した天山文庫。

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昨年、葦で屋根を葺き替えたそうです。行ったときは池の周りに猩々袴がたくさん咲いていました。


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民芸館のおじさまに鍵を開けてもらい、中に入ります。

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心平氏が寄贈したという3000冊の蔵書。私がちらとあけてみたものは草野氏に贈呈されたもののようで、そうするとおそらくは初版本でしょう。自由に見ていいというのは、性善説に基づいた考えです。雑誌の方もノーガードでしたし。

メインの部屋。窓を開けると頭のないオープンエアの空間が出現します。

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ここで文化人が飲んだくれながら話に花を咲かせていたんでしょう。

立ち入り禁止の奥の台所や押し入れなど、おじさまは何でもかんでも見せてくれました。心平先生もこういう村人が好きでここに来てたんでしょうね。ちなみにこのおじさま、今回の旅でもっとも深く東北なまりで、一生懸命聞いたのだけれど、2割くらいは何言ってるかわかりませんでした。

天山文庫を後にし、村内一周でもするかと走り出したら、畑の向こうにお寺が一つ。村内案内図を見ても行くところが定まっていなかったので即向かいます。


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古そうな山門です。金網の中には、よくできた仁王様。その脇に、朽ち朽ちマシン。


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いつからここにあるのでしょう。


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これを見られただけで来た甲斐があったと思ったりします。


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が、ここへ来た甲斐はこれでした。


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韻韻 方十 里  心平

このお寺、草野心平氏がモリアオガエルの生息地を探していたところにラブコールを送った住職、矢内氏の長福寺でした。

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東日本大震災で亡くなった方の供養塔もありました。

この日の探索はこれで終えて「かわうちの湯」に行きます。

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立派な建物です。


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カエルの「か」の字の暖簾です。中はこんなふう→かわうちの湯

女湯に入っていたのは数名で、地元の方のようでした。階段に「いつまでもふるさと」というコラージュがあって、私も村の将来を祈りました。

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さっぱりした後は、ビジネスホテルかわうちに戻ってくつろぎます。夕食は食堂でした。廊下の自販機で缶ビールを買って、一人でいただきましたが、他のお客さんは全員男性で、現場でのお仕事という雰囲気でした。こういう人たちが来なくなったらこのホテルの役割も終わるのかな、等と考えていました。


ぐっすり眠った翌朝は例のファミマで朝食を調達して車中食、平伏(へぶす)沼に向かいます。モリアオガエルが孵る季節ではないけれど、せっかくなので見にいこうということです。西の山中にあり、村の中心部からは小1時間かかります。


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昨日の阿武隈民芸館を確認し(写真の真ん中あたりです)、


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辻のしだれ桜に別れを告げ、


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もう一カ所のビジネスホテルAGORAにも別れを告げ、

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カエルの像のある角から林道に入っていきます。


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美しいせせらぎに沿った林道を分け入り、高塚山との分岐をさらに進んで高度を上げます。
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最後は未舗装路になって、駐車場到着。30台くらいは駐車できそうです。

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駐車場の奥にはこんな看板が…全部を除染することは不可能なんでしょうか。


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こんな道を歩くこと数分で、沼辺に到着。数分で一周できるような小さな沼ですが、モリアオガエルの繁殖地として国の天然記念物に指定されています。


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そして心平さんの句碑。


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うまるるや 森の蛙は 阿武隈の 平伏の沼べ 水楢のかげ  


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梅雨の頃に来れば、この枝からオタマジャクシが次々と沼にダイブするのでしょう。ちなみにモリアオガエルの繁殖地として天然記念物に指定されているのは、ここの他は八幡平大場沼しかないそうです。

林道を戻ります。分岐から行ける高塚山は頂上まで30分、そこにある「ペラペラ石」に乗ってみたい気もするのですが、次回に取っておきます。


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