エコデザイン・フォーラム
ナディアパークで行われたエコデザイン展とフォーラムに行ってきた。
愛・地球博環境マネジメント・プロデューサー鵜浦真紗子氏の基調講演を抄録する。演題は「さりげなくデザインされた愛・地球博での試み」。
「成熟した社会の中、環境に対する意識が高まっています。
ひとや環境にやさしい製品づくりやシステムづくりが求められ、
エコデザインという言葉を耳にすることが多くなってきています。
企業やデザイナーにとってエコデザインは、社会的使命として期待され、
また新たなビジネスチャンスを生み出すキーワードとして重要になってきています。
展示とフォーラムをとおしてエコデザインとは何かを考えてみようと思います。」
とテーマを読み上げた後、エコデザインについての前置きを二つ。
一つは、建築家であり数学者であり哲学者でもある現代のダビンチ、バックミンスター・フラーのエピソード。彼はジオデシックドーム=フラドームを提唱したが、過去30万個も作られている。彼は著書「宇宙船地球号の操縦法」で「より少しからより多くを」の考え方を述べている。
もう一つは鵜浦氏の住む、名古屋市の姉妹都市でもあるロスの新しいランドマーク「パイロン」。DVDで音楽とともに映し出された画像は、ハイウェイの脇に林立する円柱群であった。2000年に完成したガラスの塔は、屋上緑化をはじめ環境にも配慮したものだそうだ。美しいことを求めていくのも必要だ。
前置きの後、キーワード集の紹介。
1)今日のキーワード 環境一般編
持続可能な発展や社会
資源循環型社会
ゼロエミッション
3Rから5Rへ
3Pから5Pを目指して
2)今日のキーワード 愛・地球博編
自然の叡智
環境マネジメント
愛・地球博における環境配慮型の活動
グローバルループ
アジア・インパクト政策集団
3)今日のキーワード エコデザイン編
(余白)
博覧会における環境に配慮した取り組みの例
1 環境影響評価書に示した保全措置の実施
2 自然環境に配慮した会場計画の策定
3 循環型社会のための先進的な技術の導入
4 3R(リデュース、リユース、リサイクル)の積極的導入
5 環境負荷の少ない交通手段の利用促進
6 楽しみながら学ぶ機会の提供
愛・地球博の映像を見る。会場でいちばん鵜浦氏の思い入れのあったものはグローバルループ。自然環境に配慮した会場計画の策定から考案されたもので高低差40m、みんなが地球の上で平等という理念をも表す、博覧会のランドマークであった。表面はユーカリの間伐材、中央部には強度向上のため廃プラスチックを混ぜた素材、ほかに透水性の煉瓦も用いた。鵜浦氏が気に入っていたのは照明プロデューサー石井氏による「月明かり」の演出。開会前の雪化粧したグローバルループもあった。
次なるトピックスは長久手日本館。竹をはじめさまざまなエコの仕掛けがあった。
どうしても見せたかったようなのがドイツ館。その画像にたどり着くまでジョン・ギャスライトとの対談。NHKの英語放送らしい。自然の叡智を日本人は自然から学ぶととらえるが、欧米人はそうではないらしい。
ドイツ館では自然の生き物の形からデザインされたバイオニクス製品が紹介される。
欲張りすぎて時間切れの感多分にありだが、まとめ。自然が持つものからエコデザインは生まれそうである。自然と一体化した感覚を持つ日本には今後大きなビジネスチャンスがある。
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